恋花火

花火大会

―――花火大会―――
今日は土曜日。 

珠洲と約束した日。 


私は花火大会ということで、今年買ったピンクの浴衣を着た。


「ごめんッ!珠洲待った?」


私が着くとすでに珠洲が来ていた。 


「イヤ、そんなに待ってねぇけど…。」


珠洲、いつもと違う? 
顔赤いけど、怒ってるのかな? 


私が不安そうにしていると、珠洲は行くぞと言って先に行ってしまった。 


もう!見失ったし…
珠洲が誘ったのに置いていくなんてひどいよ!! 


私がフラフラしていると、 

「一人〜?俺達と一緒に回ろうよ♪」


そういって、知らない男が声をかけてきた。 


ナンパか… 
初めてされたけど、うれしくないッ!! 


「ごめんなさい。人探してるんで。」


「じゃぁ、一緒に探すよ♪どんな奴?」


しつこいっ!!  


「いいですッ!他当たってください。」


「そんな事言わずにさぁ〜〜」


そう言って、腕をつかんできた。 


「ちょっ…はなして!!」

「何してんだよ?」


ビックリして声のした方を見ると、篠崎と友達がいた。 


「なんだてめぇ?」


「俺らの連れなんで腕はなしてくれます?」


顔は見えなかったけど声が低くかった。 


それにビビったのか、ナンパ男はどっかに行ってしまった。 


「篠崎達、ありがとぉ。しつこかったから困ってたんだ。」


「そっか。だれと来てんの?」


「あっ!えーと、」


「相原…!探したんだけど!!」


「珠洲!探したはこっちだよぉ。先行っちゃうんだもん!!」


「わりぃ、わりぃ。」


「相原、珠洲と来てたん?」


篠崎がちょっと低く声で聞いてきた。 


「そうだよ?」


「ふーん。」


篠崎と珠洲の目が会ってるのが分かった。
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