永遠なんてないこの世界で、きみと奇跡みたいな恋を。


「なっちゃん、私も……後悔したくないから言うよ」

「ん、おう……」

「私にとってなっちゃんも大切な人だよ。ここまで傍にいてくれて、どれだけ心強かったか……感謝してもしきれないくらいに……」


そう言って笑えば、なっちゃんは私の笑顔を見つめたまま、眩しそうに目を細めた。


なっちゃん……?

何も言わないなっちゃんを、首を傾げて見つめ返す。


トクンッ、トクンッと……。

早まる鼓動は、なっちゃんを見つめているから?

胸の高鳴りに、私はなぜだか幸福感と切なさを同時に感じた。


「………行こうぜ、さみぃし……」

「へ、うんっ」


そして、唐突に歩き出したなっちゃんに慌てて駆け寄ると、不意に左手を握られる。


< 162 / 322 >

この作品をシェア

pagetop