永遠なんてないこの世界で、きみと奇跡みたいな恋を。


***


医療センターをなんとか抜け出した私たちは、足早にバス停を目指した。

時刻は午前3時、空はまだ暗いが、東の空はやんわりと明るくなっている。

まさに、瑠璃色の美しく絶妙なコントラスト。

とても幻想的な旅立ちの朝だった。



「なっちゃん、よく職員用の出口なんて知ってたね」

「あぁ、いつか脱走してやろーと思ってたからな」

「そうだったんだ……」


なっちゃん、手術のこと、すごく嫌がってたもんね。

強行突破される前に、逃げ出そうとしてたのかも。

なっちゃんならやりかねない。


「それにしても、ふぅっ、久しぶりの外は、寒いねっ」


肺に入ってくる空気が冷たい。

両手を擦り合わせていると、なっちゃんが私の手を掴んだ。



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