別れるための28日の蜜日
部屋の一角にまとめられた律人のモノ達。見つめてたら切なくなって涙が出そうになる。


嫌いになったわけじゃない。律人から何か言われたわけでもない。いや、言われないのが原因っちゃ原因か。

ついでに模様替えもしようか、と動いていたら玄関のチャイムがなった。


誰だろ?律人からは来れないってメール来てるしなぁ〜。


モニターで確認すると香苗がレンズ越しに睨んでいた。

「寒いんだから早く開けなさいよ」

突然来といて勝手なことを言う、いつも通りの香苗を部屋に上げるとリビングの前で立ち尽くしている。

「何、これ。夜逃げ?」

「せめて引っ越し?って聞いてくれないかなぁ」

苦笑する私をほっといて、自力でソファ前に場所を作って座る香苗が机にケーキの箱を置いた。
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