別れるための28日の蜜日
2月20日
寂しい夜を2回超えて迎えた土曜日、早起きして洗濯や掃除をする。

律人がこの部屋に引っ越してから週に一度、ハウスキーピングにはいってもらってるから掃除自体が大変なわけじゃないし、やる事もそんなにはない。

でも律人が帰ってくるまでの数時間、何にもしなかったら部屋中くまさんみたいにウロウロしちゃいそうで。

誰かが帰って来るのを待つのってこんなに落ち着かないものだっけ?こんなに楽しみなものだっけ?



律人は出発前に教えてくれたより早く、11時過ぎに帰ってきた。

「おかえり。早かったんだね」

玄関までいそいそと迎えに出た私の後ろ姿には、ちぎらんばかりに振っている尻尾が出ているかもしれない。


「ただいま」

律人も笑顔で言ってくれる。

「だれかが待っててくれるってやっぱりいいな」
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