別れるための28日の蜜日
2月22日
はぁぁっため息を吐くと香苗に思いっきり嫌な顔で睨まれた。

「わけのわかんない計画なんてしてるから、そんなショボい顔してんのよ」

「計画関係ないし‥‥」

そう、ホントに関係ない。
私のこのため息の原因は、律人に土曜日の夜から丸一日ずっとベッドに引き摺り込まれたからだ。愛されてるからと言えなくもないが、いくら恋人だからって節度は必要だと思う。

ただ、OLさんで賑わう昼時の人気のカフェでその説明は憚られる。他人から聞いたら、ただの下ネタだ。

「じゃあなんなのよ?」

今月が終わるまであと1週間。流石の香苗も状況の確認をしたかったんだろう。

「なんなのって、まぁ、何でもないよ。律人にはまだ何にも言ってないし。強いて言えば、律人の縁談相手が非の打ち所がないお嬢様だった事が発覚したくらい?」

「はぁ?縁談って何よ。ってか、なんで百合が縁談相手と会ったのよ」

「偶然。律人の忘れ物をマンションに届けに来てくれたの」
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