摩天楼レボリューション
「黒須様にはお好みではない、もしくはアレルギー反応が出てしまう食材などはございますか?」


スタッフさんは控え目な口調で問い掛けた。


「いや、好き嫌いはないし、体質的に何でも大丈夫です。だからこそ決めかねるんですよね。どれを見ても美味しそうだし」

「それではご提案なのですが、メニューの下部に『クリスマスディナー』のイメージ図として写真が印刷されておりますよね。そちら、実際にお出しする料理で撮影しておりますので、全く同じものをご注文いただく、というのはいかがでしょうか?」

「え?ああ、ホントだ」


スタッフさんの言葉に促されるように黒須さんは写真に視線を合わせると、そう呟いた。


「もちろん、それぞれの料理とのバランスを考えて、シェフがチョイスした組み合わせですので、きっとご満足いただけるかと存じます」

「そうですね。じゃ、そうさせてもらおうかな。君もそれで良い?」

「…あ、はい。もちろんです」


まるで他人事のように成り行きを見守っていた私は慌ててコクリと頷いた。


「じゃあ、そのようにお願いいたします」

「かしこまりました。それでは写真の料理をメニューと照らし合わせながら一品一品ご紹介させていただきます」


宣言通り、スタッフさんは前菜から順に「こちらの料理名はこちらでございます」と解説し、黒須さんの了承を得てから注文を完了して厨房へと向かった。
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