偽りの翼Ⅱ
医者は俺にそう言った
正直聞く準備なんて出来てない
でも聞かなければ結局もやもやするんだ
「はい…」
花恋は無事。
俺はその言葉を聞きたかったんだ―――…
別室に移動しようと言われ、俺は医者についていった
俺の前にはまだ若い、きっと花恋の親戚だろう……百合香おばさんがいた
「お座りください」
医者はそう言ってどうぞ、と手をだした
「では、早速…。花恋さんの事故によるダメージですが……目覚める確率はほぼ100%と言っていいでしょう
ただ…頭への衝撃が強かったため、記憶障害が起きる可能性があります。」
記憶障害…。
「それは一時的なものかもしれませんし、長期に渡って続くこともあるでしょう」