偽りの翼Ⅱ



次の日、花恋は分娩室に入った




「長くなるでしょう」




「手を握っててあげてください」





俺はそう言われ不安を感じながら花恋の手を握った






痛みに耐え切れず、花恋は泣いて叫んだ







「花恋………」







俺は男だからこんな経験はできないし、変わってやることもできなくて






ただただ見ていることしかできなかった







「手を握ることは、心を安定させてくれるんですよ」







助産婦はそう言った









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