Snow Drop~天国への手紙~(上)【実話】
その時だった。

あことエリは、見てはいけないものを見てしまった…そんな気がして仕方なかった。

マコトくん達の後ろで、有美さんとその友達があこを物凄い形相で睨み付けているのを…

見てしまった。

あことエリは、思わずお互いの顔を見合ってしまった。

何だろう…この不安な感じ…

大丈夫だよね?

だって、今日、この場限りで、きっともう会う事も無いよね!

…そう思ったから、あまり深く気にしない様にする事にした。

そして、4人は、川原を後にした。

「ほらっ!!
エリ、あこちゃんっ!歩けぇ~歩け!!」

「うるさいっ!ヒロトがちゃんと歩け~この酔っ払いが~!!」

エリに支えられながら、なんとか歩く酔っ払いヒロトくんの掛け声に合わせる様に、あっちゃんの車へと向かった。

パールブラックのセダンの車。

初めて会ったあの時は、なんとなく怖いというイメージを持った、あっちゃんの車。

今日は“カッコイイ”に変わってしまった。

「ヒロトはマジで酒くせぇから、あこが助手席な!」

『わ~いっ♪
何か、ビップな感じ~!!』

運転してるあっちゃんはかっこいい。
横顔なんて、もっとかっこいい。

「ギャハハハ~!!アツシ~アツシ~!もっと飛ばせ~!」

後ろでは、ヒロトくんがうるさい!
本当にうるさいっ!!

「ヒロト、静かにしろ~!!ごめんね…アツシくん、あこ…」

「ハハハッ!いーって、気にすんなよ、エリちゃん!」

酔っ払いヒロトくんはエリに任せる。

あっちゃんはと言うと、運転しながら煙草を吸い始めた。

運転しながら煙草をくわえるあっちゃんは、もっともっとかっこいい。

キュウッ

また心臓がおかしい。
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