Snow Drop~天国への手紙~(上)【実話】
誰かなぁ?
隣の家のおばちゃんかな?

「あら…あこの次は誰かしら…。

はーい!どちら様ですかー?」

「…あ…た、高橋と言いますが!」

ドアの向こうから聞こえて来る、若そうな男の声に、少し戸惑うお母さん。

「高橋って…誰かしら?」

あことお姉ちゃんを見つめながら、小声で話しかけて来る。

そして、お母さんは、おそるおそるドアを開けた。

カチャ…

「どうも!こんばんは!」

「あら…あの…どちら様?」

えっ!!ななな…何で?何で!?

ドスッ

あこは、ドア先を見つめながら、浴衣の入っている鞄を床に落とすと固まってしまった。

『あっちゃん!?』

ドアの向こうに立っていたのは、あっちゃんだった。

「あ…初めまして!あのっ、俺、高橋篤と言います。

昨日から、あこさんとお付き合いさせてもらってます!…突然…すいません!!」

そう言って、あっちゃんは、体ごと頭を下げた。

「はぁ…高橋さん…はぁ…」

お母さんは、何が何だか、まだ状況を把握出来ていない。

お姉ちゃんは、事情を知っているだけに、ニタニタとその光景を見つめていた。

『あっちゃん!どうしたの?…何で?』

「あこ、お前…コレ忘れてったから!ハイ!」

『あっ…!!』

あっちゃんは、ちょっぴり呆れ顔で、あこの右手にそっと、白くて小さな物を手渡してくれた。

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