甘々なボスに、とろけそうです。
「みこ、驚いた?」
たった今、兄のすすったスープには、トリュフが入っている。兄よ、いつからこんなにもセレブになったのだ。
『驚くよ、そりゃあ! お兄ちゃんの会社が、あの、B.C.square TOKYOの中にあって。美男美女しかいないオフィスで。その社長に、服とかもらって、全身綺麗にしてもらって。その上……お兄ちゃんは社長の妹と、結婚!?』
――そう叫びたくもなったが、場所が場所だ。
「……うん、驚いた」
それだけ答えるのが……、やっとである。
「ごめんねー。ミコちゃんを兄さんのワガママに付き合わせちゃって」
「えっ……」
ボスのワガママ? 里香子さん、それ、どういう意味ですか。
「あのね、ミコちゃん。あなたを呼び出したのは――裕樹の携帯からメールしていたのは、兄さんよ」
「……っ、えぇ??」
耳を、疑った。信じられない。だったら、あの、今朝届いた……
【みこ。忘れ物、届けて欲しい。なるはやで】
ってメールも。
ビルに着いた私に届いた、
【ご苦労。はやく来い】
――あれも、全部、ボスからだったの?
「お兄ちゃんっ……、忘れものしたっていうのは、嘘だったの?」
「うん。あの茶封筒を仕込んだのは、里香子なんだ」
(なんですってぇえ!??)