甘々なボスに、とろけそうです。
そうか。CMとかでは『猫の王子様』と正式名で宣伝しているもんね。言われてみれば、それを『猫のプリンセス→猫プリ』と略すのは、そこそこハマっているファンだけ。
どうしてそんなことに気づかなかったのだろう。
そして、ウィルくん。私の嘘を見抜きながら、あえて突っ込まなかったのか……。
「ほんとにもらっていいの?」
「いいよ」
う、嬉しい。嬉しいけれど……
「……やっぱり、遠慮する」
私は、雑誌を傍らに置くと、書類の整理を始めた。まとめて縛る紐かなにか欲しいところだ。
「なんで?」
「悪いよ、もらうのは。あとで、ちょっと読ませてもらえると嬉しいな」
「別にかまわないのに」
「貴重なものだもん」
「…………」
「ウィルくん、そこの棚に、ここに落ちてる本並べてもいい?」
「いいよ。好きにやっちゃって」
「了解。はやいとこ片付けちゃうね!」
「そういうとこが、気に入られるんだろうね」
「へっ?」
ウィルくんは、意味深な言葉を残してデスクまで戻ると、首にかけていたヘッドホンを耳にあてて、またパソコンへと向かってなにかを打ち込み始めた。