『コーン』な上司と恋なんて
今度のそれは真実ですか?
ホカホカと湯気の立ち上る鍋をテーブルに置いた。

いつもは1人分の皿しか乗らないテーブルの上に、2人分の食器が置いてある。



「……これって何鍋?」


クリーム色した鍋の中身を見て課長が呟く。


「コーンスープ鍋…と言います」


勿論、私の完全アレンジメニューだけどね。


「ふぅん。コーンスープも鍋のダシになるんだ」


「そういう細かい所はチェックはしないでいいですから、どうぞ」


お玉と取り皿を手渡す。


「えっ…セルフで取り分けるのか?」


課長が驚くような声を上げる。
私は課長の彼女に悪いと思ったからそうしたのに。


「じゃあ私が取り分けてもいいですか?」


「うん。宜しく」


うん…なんて言葉遣いも勘違いしそうになるからやめて欲しい。

オフィスでは見れない課長の素顔を垣間見てるようで苦しくなる。



鍋の中から鶏肉や野菜を一通り盛った。

いつもお菓子作りで彩りとかを考えて作るせいか、色合いだけは綺麗な仕上がり。



「美味そう!」


「それは食べてみないとハッキリしません」


私が自分の分を取り分けてる間に課長はスープを飲み込む。


「うん!ブラックペッパーがいい感じに効いてる」


「そうですか。良かった」


取り敢えず不味い顔はされてない……と思う。


「鍋って言うよりシチューっぽい感じ。でも、これはこれで美味いよ」


「……ありがとうございます」


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