目を閉じてください
そして何とか用を済ませてエレベーターに戻ると、開いた扉の向こうに叶多さんが立っていた。
「おはようございます」
「おお、おはようございまする」
いちいち動揺しすぎだ私。
クスッと笑われる。
言えない。
いや、人違いだ。仮に心咲さんだとしても、お兄さんとか弟とかそう言うオチだ。
きっとそうだ。
触らぬ神になんとやら。
「どうかしました??」
「いいやあ!?なんでも???」
いちいち動揺しすぎだ私!!
そしてまた4階に着く。
開いた扉の前には真部さんがいた。
「おや、これはこれは、仲良くふたりでご出勤ですか」
じろりと睨まれる。
「真部様こそ如何されました??こんなに早く」
にこやかな営業スマイルで、さらりと交わす叶多さん。