目を閉じてください


―――気付くと、
ふわりと抱き締められていた。


もちろん知っている方の真部さんに。


―――ほのかにミントの香りがした。


抱き締める力が、強くなった。


思い出してしまった。
私の初恋の人。


―――思い出したくなかったのに―――


「えっ!?えっと、あの…」


お母さんも真部と呼ばれた紳士も、突然の出来事に、ぽかんとしている。


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