ハッピーネガティブシンキング
彼の荒い息が耳元を掠めた。
次の瞬間、郷ちゃんはわたしの左隣に仰向けに倒れた。
しばらく肩で息をしている。
「……出来ちゃうかな」
「……まぁ、良いんじゃない。それも、そろそろ」
ティッシュの箱を受け取る。
「……いっぱい」
「……久しぶりだったからね」
「……」
わたしも大きく息を吐き出しながら、天井を仰いだ。
頭上の窓の外から、自動車が走り去る音が遠くに聞こえる。
「……何かさ……良いことあるかな、これから」
「……良いことあるよ」
彼の返答に違和感を持ち、左側を見つめた。
「……意外なこと言うね、そんなこと思ってんの」
「思ってない」
わたしに視線を送りながら、少し困ったような顔で微笑んだ。