EMOTION -R-




ようやく帰ってきた時の君の表情は
ここに帰って来るまでの間耐えて耐えて
堪えきれない程の痛みを受けてここに来るまでの道のりは長かった。





「…ただいま、S…」





溢れた涙を堪えながら微笑みながら精一杯の言葉だったのだろう。
僕は小さく頷き黙ったまま君の背中を抱き締めた。



心の中で僕は


「もう何も言わなくていいよ、おかえりR」
「待っていたよ、R」
「よく頑張ったんだ、もう大丈夫だよ」



と僕は君の背中越しから伝えたのです。
言葉を伝えないと伝わらないとは言いますが僕らには言葉を交わさなくてもこうして伝わっているので沢山の言葉は必要じゃない



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