暁月夜



開演前で忙しいところ悪いとは思いながら走るスタッフを捕まえる。



以前私を関係者以外立ち入り禁止の先まで連れていってくれた人がいたらよかったのだけど今日はその顔を見つけることができなかった。



「差し入れでしたら規定にそっていただかないといけないのですみません」


「わかりました。あの差し入れというものをしたことがなくてよくわかっていないのですが教えていただけますか」



それはですね――と説明が始まったところで私の真横に頭から足先まで全身黒一色で包まれた人が立ち止まる。



ちらりと視線を向けると薄い色のサングラス越しに目があった。





< 21 / 39 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop