暁月夜
そして今日もまたライブハウスの片隅に背を預ける。
私の一週間はいつのまにかこの時間を中心に廻っていて。これでようやく一周したことになる。
そして今日は、また突然の変化を与えられた日となった。いつものようにライブハウスを抜け出したところでいつもとは違うことが起こった。
「すみません!」
誰もいないと思っていたところに響く声。
声をかけられる理由に身に覚えがないまま様子をうかがうためにそっと声の先へ視線を向ける。