赤い糸~切れた糸の続き~
お昼休みは福本さんといつものように食事をして、昼からの仕事に励んだ。

夕方ー

仕事も終わり、会社を出た。

アレクにまたがろうとした時、中・高生くらいの女の子に声をかけられた。

といっても、感情的な黒いオーラが見えた。

一瞬、後ずさる私に、

「…あなたね?!」と私を睨み付ける鋭い目つき。

はあ?何がよ…私が何したのよ!?私は心で突っ込みながら、にこやかな対応を試みる。

「どちら様ですか?」と笑顔で言った。

「お父さん、タブらかしたのあなたでしょ!しってんだからね!」と女の子は言ってきた。

「本人に確認したら?タブらかしては無いわ。相談には乗ってもらってる。確かに二人で過ごしてることは多いかもしれないけど」と私は言った。

福本さんの娘ね、多分…。

「あら、娘が失礼なことを…ごめんなさいね?」と綺麗な女が現れた。

「…もしかして、愛さんと愛梨ちゃんですか?」と私が言うと、

「あら、よくわかったわね!」と嬉しそうに女の方は言ってきた。

娘の方は凄い剣幕で私を睨んでるんですけど!

「馴れ馴れしく名前で呼ばないでもらえない?」と私に言ってくる女の子。

悪かったわね!口が滑っただけよ。よく、福本さんから話は聞いてるから。

けど…そんなこと言ったら更に怒るわよね?今は興奮状態で何にでも噛みつきそうなんだから。

私はエンジンをかけた。

「ちょっと!話まだ終わってないんだけど!」と女の子は言ってきた。

何よめんどくさい…。早く帰りたいのに。

私はため息をついてヘルメット被った。

無視して帰る気満々で。

そこに福本さんが出てきた。

「愛梨、愛何でいるんだ?」と。

救われた気がした。

「愛梨、聞かなくてねぇ~お父さんタブらかしてる女にどーしても一言言いたいって。止めなさいって言ったのよ?」と愛さんは言っている。

「だってぇ…」と拗ねるように言う愛梨ちゃん。

「あり得ないだろ!早く帰りたいのに、引き留めたこと謝りなさい!」と福本さんは言う。

「あー、もぅ、もっとお話したかったのに‼」と愛さんが言っているのが聞こえた。

「大丈夫ですよ」と私は言って手を降ってその場を去った。

家について、ただいまーと家に入った。

迎えはなかった。そりゃそうかもしれないけど。

リビングに入ると、皆揃ってた。

あまりいい空気は流れていない食卓。

私は手を洗って食卓に着く。

しばらくして、聖が口を開いた。

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