赤い糸~切れた糸の続き~
翌日ー

目を覚ましたが、重い。

体がではない。仕事に行きたくないとか、そんなんじゃなくて…

ただ聖に逢いたくない。

私は早めに準備して家を出た。

アレクにまたがり、今日も会社に向かう。

早めに着いたので、少し早いが資料の整理や周りの片付けなどをしていた。

資料に目も通しといた。今日の仕事の段取りを考えてる。

険しい顔で資料を見てたのか、

「おはよう?」と疑問系で福本さんに声をかけられたことに気づかないでいた。

「おはよう?俺を無視するとはいい度胸だな?」と今度は肩に手を置かれた。

「えっ、あっ、すいません…おはようございます!もうそんな時間ですか?!」と私が慌てて言うと、

「いや、いつも一番に俺が来るのに、今日は電気ついてたから、誰に先越されたのかな?って。どしたんだ?浮かれない顔してた上に、かなり険しい顔つきなってたよ」と福本さんは優しく声をかけてくれた。

プライベートなことを仕事には持ち込みたくなかったのに…顔に出てたか…。

私はため息をついた。

周りを見渡してもほんとに誰も来ていなかった。

「…いつも早いんですか?」と私が言うと、「…大体はな。たまに遅れるが」と返された。

私は聖と喧嘩したことを言った。

「気持ち、わからないでもないね」って言われた。

福本さんの言うことはいつも正しくて、福本さんに相談すると、そうなのかもしれないと思えてくる。

そして、家帰って、聖に謝ろうと思った。

それから皆が来はじめて…この話は終わった。

いつものように仕事に戻っていく私たち。

仕事の間は極力考えないようにした。
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