赤い糸~切れた糸の続き~
お腹空いたので、カフェで軽食を食べてゆっくりしようとカフェに入った。
軽食を早々と食べ、コーヒーを飲むことにした。
コーヒーを飲みながら考えるのは、咲斗さんのことばかり。
あのときはあんなに楽しくて、たくさん、話もした。バイクの話とか、くだらない言い合いも沢山した。
けど…今は一人。今日は寂しいツーリングだな。
はあぁ、って私ダメだね。もう5年も経つのに…。
季節は秋になろうとしていた。今年も後もう少し。
健斗くんと出会ってもう数ヶ月が過ぎたのね。早かったなぁ。
ホントに。なのに…私は今日もまだ咲斗さんのことを考えてる。いつか、思出話にして笑える時が来るのかしら?
私は窓の外に目をやった。アレクが見えた。アレクは輝いている。それに少し元気をもらった。
けど…
涙が溢れそうになる。
私は涙をこらえてコーヒーをすすった。
色々想いを巡らせていると、ふと、健斗くんの顔が浮かんだ。
何でかはわからないけど。そして呟いてしまった。
『逢いたいなぁ…』って。
氷の帝王と呼ばれ、他人に興味を示さなかったこの私が。
「誰に逢いたいの?もしかして俺?」と言って現れたのは…
元カレの彰。咲斗さんと出逢う前、中1~3年まで付き合っていた彼氏だ。
「…あっ、彰?久しぶりね。何でいるの?」と私が言うと、
「近所で働いてる。休みにはここで過ごすのが今の楽しみなんだ。あっ、ここいい?」と彰は言いながら、私の席に相席。
「武勇伝は沢山聞いてるよ?」と笑いかけてきた。
私は苦笑い。「彼氏は?」といきなり聞かれた。
いないと言うのは咲斗さんに失礼な気がする。
けど…実際は一人だ。
そんなのわかってる。そろそろ前を向かなくちゃって。
けど…やっぱり忘れられなくて…
「…なんかごめんな?」なんて言うから、また泣きそうになる。
「5年前、病気でこの世を去ったわ」と私は無理な笑顔を張り付けて笑った。
「…そっか、無理して笑うなよ。まだ忘れられないんだろ?泣きそうな顔見てたらそんな気がしたよ」って
励ましてくれた。
「わかってるのよ?あの人はもういないって。一緒に過ごせた時間はあまりにも短すぎた。前を向かなくちゃって、思ってもやっぱり忘れられなくて…引きずってる自分がいる。その事で初めて姉弟ゲンカをしたわ。あの子は私を心配してくれてるのよね。わかってたのに、ひどいことを言ったの。仲直りはしたんだけどね…」と私は言った。
って、私、彰相手に何を言ってるんだろ。
こんなはずじゃなかった。
こんな弱ってる姿見られたくなかったのに…何で私、彰に話してるんだろう。
しばらく考えてたのか、間を開けて、
「覚悟決めても相手見つからなかったら、俺が嫁にもらってやるよ。俺もどうせ、独り身だしね」と彰は言い出した。
彰らしくていいわ。
「ありがとう、気持ちだけで充分よ。絶対結婚して幸せな家庭築くんだから!あなたも幸せになってよ?」と私が言うと、笑ってくれた。
何だか少し元気になれた気がする。
「あっ、ねぇ、この辺に温泉あるホテルとか、旅館無い?」と聞くと、
「良いとこ知ってるよ!そこさ、風呂入るだけもOKだからさ、俺も良く行くんだけど…案内しようか?」と彰は言ってくれた。
「ほんとに?ありがとう。助かるわ‼歩きならアレク乗って?」と私が言うと、
「…アレク…?」と言われた。
そりゃそうよね。「私の愛車のバイク。アレクって言うの!あのオレンジのやつね?察しなさいよ!」と私が言うと、彰は呆れるように笑った。
「じゃぁ、案内するから、運転して」と彰は言った。
ここのお会計は彰が出してくれた。
軽食を早々と食べ、コーヒーを飲むことにした。
コーヒーを飲みながら考えるのは、咲斗さんのことばかり。
あのときはあんなに楽しくて、たくさん、話もした。バイクの話とか、くだらない言い合いも沢山した。
けど…今は一人。今日は寂しいツーリングだな。
はあぁ、って私ダメだね。もう5年も経つのに…。
季節は秋になろうとしていた。今年も後もう少し。
健斗くんと出会ってもう数ヶ月が過ぎたのね。早かったなぁ。
ホントに。なのに…私は今日もまだ咲斗さんのことを考えてる。いつか、思出話にして笑える時が来るのかしら?
私は窓の外に目をやった。アレクが見えた。アレクは輝いている。それに少し元気をもらった。
けど…
涙が溢れそうになる。
私は涙をこらえてコーヒーをすすった。
色々想いを巡らせていると、ふと、健斗くんの顔が浮かんだ。
何でかはわからないけど。そして呟いてしまった。
『逢いたいなぁ…』って。
氷の帝王と呼ばれ、他人に興味を示さなかったこの私が。
「誰に逢いたいの?もしかして俺?」と言って現れたのは…
元カレの彰。咲斗さんと出逢う前、中1~3年まで付き合っていた彼氏だ。
「…あっ、彰?久しぶりね。何でいるの?」と私が言うと、
「近所で働いてる。休みにはここで過ごすのが今の楽しみなんだ。あっ、ここいい?」と彰は言いながら、私の席に相席。
「武勇伝は沢山聞いてるよ?」と笑いかけてきた。
私は苦笑い。「彼氏は?」といきなり聞かれた。
いないと言うのは咲斗さんに失礼な気がする。
けど…実際は一人だ。
そんなのわかってる。そろそろ前を向かなくちゃって。
けど…やっぱり忘れられなくて…
「…なんかごめんな?」なんて言うから、また泣きそうになる。
「5年前、病気でこの世を去ったわ」と私は無理な笑顔を張り付けて笑った。
「…そっか、無理して笑うなよ。まだ忘れられないんだろ?泣きそうな顔見てたらそんな気がしたよ」って
励ましてくれた。
「わかってるのよ?あの人はもういないって。一緒に過ごせた時間はあまりにも短すぎた。前を向かなくちゃって、思ってもやっぱり忘れられなくて…引きずってる自分がいる。その事で初めて姉弟ゲンカをしたわ。あの子は私を心配してくれてるのよね。わかってたのに、ひどいことを言ったの。仲直りはしたんだけどね…」と私は言った。
って、私、彰相手に何を言ってるんだろ。
こんなはずじゃなかった。
こんな弱ってる姿見られたくなかったのに…何で私、彰に話してるんだろう。
しばらく考えてたのか、間を開けて、
「覚悟決めても相手見つからなかったら、俺が嫁にもらってやるよ。俺もどうせ、独り身だしね」と彰は言い出した。
彰らしくていいわ。
「ありがとう、気持ちだけで充分よ。絶対結婚して幸せな家庭築くんだから!あなたも幸せになってよ?」と私が言うと、笑ってくれた。
何だか少し元気になれた気がする。
「あっ、ねぇ、この辺に温泉あるホテルとか、旅館無い?」と聞くと、
「良いとこ知ってるよ!そこさ、風呂入るだけもOKだからさ、俺も良く行くんだけど…案内しようか?」と彰は言ってくれた。
「ほんとに?ありがとう。助かるわ‼歩きならアレク乗って?」と私が言うと、
「…アレク…?」と言われた。
そりゃそうよね。「私の愛車のバイク。アレクって言うの!あのオレンジのやつね?察しなさいよ!」と私が言うと、彰は呆れるように笑った。
「じゃぁ、案内するから、運転して」と彰は言った。
ここのお会計は彰が出してくれた。