赤い糸~切れた糸の続き~
卒業式の日ー

聖を学校まで送っていった。

帰りは友達と最後の思い出を作ると言っていた。

私はそのまま会社に向かったのだが、やっぱりそわそわしてしまう。

仕事もほどほどに切り上げて、昼から有給を取らせて貰った。

そして、アレクにまたがり、聖と健斗くんのいる学校に向かった。

丁度式が終わった所なのか、随分グランドは騒がしかった。

私はアレクから降りて、メットを外すと、アレクにもたてるようにして立ち、健斗くんを待った。

しばらくして健斗くんは現れた。

「お待たせしました」って。

私は最高の笑顔で、「卒業おめでとう!」と言ったら、健斗くん照れて顔を赤くしながらうつむいちゃった。

こーゆとこ、ほんと、可愛いんだよね。

そんなこと本人には言えないけど!

「ちょっと付き合ってくれる?」と私は言って健斗くんにヘルメットを渡した。

小さくうなずきながら、ヘルメットをかぶってくれた健斗くん。

私はバイクにまたがった。

躊躇している健斗くんに早く乗るよう促して、「振り落とされないよう、しっかり捕まっててね」と声をかけた。

そしてエンジンをかけた。

私はある場所に向けて、走り出した。

ー数十分後

目的地についた私はバイクを降りて、ヘルメットを外した。

健斗くんも並んで降りると、ヘルメットを外した。
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