赤い糸~切れた糸の続き~
月日は流れ気づけば暖かくなっていた。

気づけば春…

健斗くんと出会って1年近く経つのね。

変わらない曖昧な関係のまま。

ほんとにこのままでいいのかしら?

健斗くんも聖ももうすぐ卒業しちゃうし。

やっぱり健斗くんとこのままは嫌だなぁ。

これからももっと沢山色んなことして一緒に過ごしたい。

よしっ、健斗くんに告白しよう。

私はその事を聖に伝えた。

聖は手を叩いて喜んでくれた。

そして私はスマホを手に、健斗くんにLINEを送った。

『卒業式の日、式終了後の時間を私にください』と。

返信はすぐに返ってきた。

『了解しました‼』と短文で。

聖もサプライズにしといてあげたいと黙っててくれるらしい。

私はその日の為に準備を始めた。

会社では私は福本さんにその事を話してきた。

「おめでとう!やっとか」と言ってくれたものの、複雑そうな顔をしていた福本さん。

私はまだ知らない、安定 していた仕事がこれから変わることを。

このタイミングでは言いにくいと判断したのか、福本さんは何も教えてはくれなかった。
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