赤い糸~切れた糸の続き~
ナゼか私服姿の健斗君とばったり会った。

田崎先輩に肩を抱かれていた私。

火花が散りそうなくらい熱いにらみ合いをしている二人。

「何してんですか?こんなところで…彼氏と会う時間は無いのに…他の男とお茶する時間はあるんですか?」とトゲトゲしく言ってくる健斗君。

面白がってる田崎先輩は悪ノリしてくる。

白々しく「あー、彼氏なん?キミ…ほぉ…」と言いながら全身を舐めるように見つめる。

イヤイヤ!田崎先輩やりすぎです。

しばらくして、「ほんま、ビックリやわ。咲斗と瓜二つやな。写真で見るより似てるし…イケメン…」とぼやくように言う田崎先輩。

でしょ!!思わず興奮気味に言ってしまった

じゃなくて…やってしまった…

「あんた、誰?」と睨む健斗君。

「うーん?羅菜の友人?」と私を見てきた。

なんて答えて良いのか、わかんないけど…

大切な人にはかわりないよね!

「キミ…先輩に対してアンタはダメだよー?」と笑顔で言う田崎先輩が怖い。

「田崎先輩は私の大切な人よ」と私は言ったんだけど…

健斗君はまだ田崎先輩を睨み付けている。

そして苛立ったように、

「で、いつまで人の女の肩抱いてるつもりですか?さっさと離れてくれませんか?」と言った。

ああ、そうだった!

それはそうよね。って店の前で私たち何やってんのよ!

「えっ?あ…」と言いながらとりあえず、田崎先輩は手をのけてくれた。

「ここ、お店の前だから、他の場所で話しましょ?」と私は言った。

「んー?俺ももちろん参加していいよね?お二人さん」と田崎先輩は言った。
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