じゃあ、初キスで

理央は何も悪くないんだけど、俺は機嫌が悪くなってそっぽを向いた。




……俺ってほんと、子供だな




「うん。方向一緒だったんだ。」




「葵ちゃん、家この辺りだっけ?」




「違うよ、バス停まで行くの。」




「そうなんだ!私はちょっと買い物行ってただけだから、邪魔してごめんね!
どうぞごゆっくり〜」




は?ちょ、何か勘違いしてね?




確かに嫉妬して欲しいとかは思ったけどさ




それとこれとは、話が……!




小走りで去って行く理央を追いかけそうになって、俺はまた葵に腕を掴まれた。




「あ、ごめん……」




それは葵も無意識だったようで、ちょっと慌てたようにアタフタしてる。




「あ、いや……」




もう理央は角を曲がったのか姿は見えなかった。




「ごめん。今から追いかける?」




「いや、家すぐ近くだし。大丈夫だと思う。」





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