じゃあ、初キスで
今から追いかけたとしても、何て言ったらいいのか分からない。
理央が何か誤解していたとしてそれを解いたとしても、きっと「2人お似合いじゃん!」とか言うに決まってる。
……地味に傷つくんだからな
他の女子との恋愛を応援されるとか、ズキッとくるんだからな
でもそんなこと本人にも葵にも言えるわけなんかなくて
「……悩みとかあったら話きくよ?」
葵にそう言わせる程俺は変な顔をしてたらしい。
「大丈夫、ありがとな。」
せめて、1人の男として見て欲しいんだ
「家族みたい」じゃなくてさ
男として意識されたいんだよ
そんなこと理央に理解されることなんてこれからずっとないのかもしれないけど
いつかそんな日が来たらいいなとか、願ったりする
「……そっか。」
葵が困ったように笑って、俺もそれにつられて誤魔化すように笑った。