Phantom (ファントム) ~二人の陽人〜


「いやね、ちょうど同じ日に、藤崎くんとは別のスカウトマンが彼をスカウトして来たんだけど…
私のところに写真や書類を持って来た彼等と私は驚いたよ。
同じ日に同じ名前の子を見つけて来たってのもすごい偶然なんだけど、出身地も同じだって言うじゃないか。
学年は彼の方が一つ上なんだけど、もしかしたら、知り合いだったりして…なんて言ってたんだよ。
知ってる?この地名」

「あ、はい。知ってます。中学は別だけど、本当に隣町です」

それを聞いただけで、少し興奮した。
彼の名前を聞いたことはなかったけど、もしかしたら、どこかで会っていたのかも知れない。

俺の家と、彼の住所は、大きな川に架かる橋を境に北と南にあり、中学も橋を境に学区が分かれていたのだ。


学校の帰り道、川沿いの公園、コンビニ、駅、ショッピングモール、バーガーショップ、
故郷のどこかで、何気なく顔を合わせたことがあるのかも知れないと…。

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