夢幻の騎士と片翼の王女
いまだによくわからない。
なぜ、これほどまでに亜里沙のことが気になるのか…



何度も考えた。
亜里沙の何に俺はこれほど惹かれているのか、と…



だが、その答えはまるでわからなかった。



愛というものは、もしかしたらそういうものなのかもしれない。
理由などなくとも、ただただ引き付けられる…

俺は今まで数えきれない女と付き合って来たが、そういうことは一度もなかった。
いや…あれはただ欲望のままに女を利用していただけの事。
そこには、ひとかけらの愛情もなかった。



(俺も、相当酷い男だな…)



でも、亜里沙だけは違う…
亜里沙なら愛せる自信がある。
すでに、俺の心の中は、亜里沙でいっぱいだ。



(この旅で求婚して…そうだ、そろそろ指輪を準備しなければ…)



指輪と言えば、彼女は薬指に赤い指輪をはめている。
なんでも、祖母の形見だということだが、あの指輪にはなにかを感じる。
どこかで見たような…
何かを思い出しそうな…
だけど、どれほど考えても、それもまた答えには到達しない。



(全く不思議な奴だな、おまえは…)



俺の頭の中には、静かに微笑む亜里沙の顔が浮かんでいた。
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