ヴァージンの不埒な欲望

そしてそのまま、私がいつも映画を観に行っているショッピングモールに移動して、何の映画を観るのか二人で相談して決めた。

男の人と二人でショッピングモールを歩くのも、観る映画を決めるのも、私は初めてだ。まるで、デ、デートのようだと思えば、身体中がどんどん熱を持つ。

拓夢さんと一緒にいると、私の体温は常におかしくなる。拓夢さんと別れた後の私は、クタリと疲れきってしまう。

でもそれは、心地のよい疲れで。

拓夢さんといると体温が急上昇するのに、拓夢さんと離れて拓夢さんの事を想うと、ほわりと心も身体もあったかくなる。とても、穏やかなぬくもりだ。

そのぬくもりを手放した時、私は、どうなってしまうのだろう──


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