ヴァージンの不埒な欲望

「っ!」

私は思わず息を呑んだ。その人が言うような未来を、私は確かに頭の片隅に思い浮かべていたから。

「私に声をかけてきたその勇気があれば、あなたは絶対に変われます。もう二度と『私なんか』と言わないように」

「『私なんか』と、言わないように?」

私は、本当に変われるのだろうか?

今まで考えてもみなかった事をその人に言われ、私は戸惑った。

「私にお任せください。私があなたを、コンサルティング致します」

「コン、サル、ティング?」

聞き慣れない言葉に、私は小首を傾げた。

その人は微笑んだ。その笑みは、全てを包み込むような優しい笑みだった。

「ピンときませんか?そうだな……」

その人の視線が、テーブルの中央辺りで一瞬止まった。

「私があなたにレッスンをしましょう。不埒で甘いレッスンを」

急に色と艶を増したような妖艶な笑みを浮かべて、スッと顎を上げたその人が私を見つめる。

私の肌は一瞬で粟立った。その視線に囚われたように、私はその人から目を逸らせなかった。

その人の瞳に魅入られたまま、小さく頭を下げた。

「よろしく、お願いします」


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