雪の華~茉叶の恋~
二華

失恋してから2ヵ月。


皇雅くんが衝撃的な事言うから、失恋した事が全然辛くなかった。


友だちにも必要以上になぐさめられちゃって…


カラオケ行ったり、公園で何時間も話したり、ファーストフードに行ったり…楽しんでた。


私以外に彼氏いる子は3人。


残りの3人は…恋のこの字もない。


今のところ。


だけどね…

この3日後…出会いがあるなんてね…


この出会いが…私を変えていく。


いい方に…じゃなく、悪い方に。


季節は冬。


タイガが友だちを連れてきた。

-うるさい-


今日は日曜だよ。

予定でもあればすぐにでも出かけたいけど…

今日はみんな揃いも揃ってデート。


彼氏いないの私だけ


いいけどさ…


そんな時、いきなり部屋のドアがあいた。


「あっ…部屋間違えた…ごめん」


タイガの友だち。


部屋着にボサボサの髪


どうでもいいや


ここは我が家なんだし。


だけど、また来た…


「何ですか?」

「友だちになってよ…」

「別にいいですよ」


見た目悪くないし…

彼氏いないし…


これをきっかけに会うようになった。


学校が終わる頃に近くのコンビニが待ち合わせ。

最初は外で会ってた。

街プラプラしたり、ファミレス行ったり。


タイガもいるし、家では会わない。


知ってるみたいだけど…


話してると楽しい。

別に話ししなくても気まずくない空気。


少し…皇雅くんと似てる

雰囲気が…


顔は違うけど…何だろう…優しいところかな…


知り合って1ヵ月。

お互いを知り尽くしたと勘違いした私は…


「付き合おう」


この告白を受け入れた。


好きだから。


高2の彼はルイ。

付き合い初めはよかったんだ…


「来月、俺の誕生日」

「そうだよね‼」

「プレゼントほしいな」

「何がいい?」

「茉叶、ちょうだい」

「どういう意味?」

「茉叶の初めて…俺にくれない?」

「うん…」


気乗りしないよ。

まだ子供だし…そんなの求めてないし。


ルイの誕生日に断るつもりだった。

彼の部屋でテレビ見ながらお菓子食べたり、普通の話ししたり…


いつもと変わりなくて安心した。


「6時だし…そろそろ帰るね?」

立ち上がった瞬間…部屋の電気が消えた…


「待って…ルイ。あのさ、もう少し待って?」


「待てないよ…茉叶が好きだから欲しい」


「こわいし…」


「大丈夫だから…」


そう言った彼は手慣れたように私を抱いた。


「痛い…」

「慣れたら…気持ち良くなるよ…」


色んなところが痛い

悪い事したような気分


1回許せば終わり。

会うたび私を抱く

やりたいから会う…そう思うようになった。


話したり、デートしたりするより…

部屋で…体を求められる事が多い。


私って…私の存在って…何?


-かわいいよ-

-好きだよ-

最近、言わないね?


もう…満足したの?


そろそろ、飽きる頃?


ルイと付き合ったのは1年…


?ばっかりだった私といてもつまらなかったのか…


「他に好きな人できた」


奪うもの奪っておいて、あっさり振った。


別れて気づいた

私はルイが好きだった事…


友だちが言ってた

-初めての人って忘れられないよね-


今ならわかる気がする…


あんなに嫌だったのに

物みたいじゃんって思っていたのに


なんで…嫌いになれないの?


ルイの口癖は…

-愛があれば何でもできるじゃん-


何それって普通は思うよね…

私も思ったし…愛があるから相手を思いやれるものじゃないの?っていつも思ってた。


いつ別れたっていいとも思ってたし…


だけど…本当に失っちゃうとこんなに寂しいものなんだね…


ルイはもう…彼女いるんだって


私と別れた次の日には…彼女できたんだって。


タイガが言ってた。


「お前の気持ち…わかんなくなったんだとさ」


バーカ‼逆だから…


タイガは本当にバカ…


私がどんな思いしたかも知らないくせに…


「ルイもぶきっちょなお前を選んじゃってさ」


頭わるっ‼妹をかばえよ‼


「タイガ…あんたの友だち、ろくなのいんの?」

「皇雅…くらいだな…ろくなの」

「だったら…止めてよ。ルイと付き合う前に…」

「俺に止める権利ないし」


バーカ‼話しにならないや…


あったまわるっ‼


我兄よ…どこまでバカなんだろう。


タイガは彼女がいる。

しかも2年も付き合ってる。

その子すごいよ…こんな自由でバカ相手に。

私には無理‼



だけど…ちらっと皇雅くん言ってたかも…


-よくあんなバカと友だちやってけるね?-

-それってタイガの事?-

-そう-

-アイツ…裏切らないし…-

-嘘だぁ-

-マジ…俺はアイツ信用してるし-


タイガは裏切らない…


そうかな…


すぐ裏切りそう…


ルイを忘れられない私はバカ。

離れられてよかったハズだったのに…


この前、連絡しちゃったよ…


「やり直せない?」って


「ごめん…今の彼女の事、好きだから。無理」


わかってたのに…

なんでこんなに泣けてくるの…


最低な男だったハズなのに

最高の男だって思う自分に腹が立つ。


ルイと別れてからかな…


「チャライ」って言われるようになったの…。


みんな求めてくるものなんて一つ。

許せば…チャライ

許さなかったら…離れていくじゃん


繋がれるんだったらなんだってよかった…


それが、付き合ってても…付き合ってなくても…
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