明日の蒼の空
第1章 のどかで平和な世界
 部屋の窓を開けると、さわやかな秋風が吹き込んでくる。花の香りが混じった新鮮で美味しい空気。

 真っ白いタンポポの綿毛が風に乗って宙を舞っている。綿菓子のような真っ白い雲が形を変えながら、ゆっくりと流れていく。大きなお日様の光が眩しくて暖かい。

 毎日、同じ時間に空を見上げることが私の日課の一つであり、楽しみの一つでもある。

 今日のランチは、もちもちチーズハンバーグとリンゴ野菜サラダとジャガイモポタージュスープ。デザートは、カボチャプリン。

 淡い水色の空のキャンバスに、料理の絵とオレンジ色のランチメニューの文字が描かれているので、空を見上げれば、ひと目でわかる。

 空中に浮かんでいるのに、風に流されて消えることはない。

 午前十一時頃から午後の二時頃まで空中で静止したままの状態。

 たぶん、一ミリも動いていないと思う。

 料理の絵もランチメニューの文字も、雲より低いところに描かれているので、晴れの日でも曇りの日でもよく見える。ただ、雨の日は視界が悪いため、あまりよく見えない。
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