明日の蒼の空
 洗濯や掃除などの家事は午前中に済ませているため、夕方までは自分の時間。

 何をしても自由だし、どこに行っても自由。

 小高い丘を越えると南ひまわり町。美しい湖の先は西あじさい町。大きな川を渡ると紫あげは町。

 私は近隣の町にはまだ行ったことがない。別に行く用事はないし、他の町に足を運ぶのはちょっと怖い。私の生活圏は東ひまわり町の中だけ。狭い範囲で暮らしている。



 私はランチを食べた後に必ず寄るお店がある。『みんなのふっちゃん』という名前の小さな駄菓子屋さん。

 昔ながらの駄菓子やおもちゃや文具類などがたくさん並べられていて、佐藤菓絵さんという綺麗なお姉さんが、いつも一人でお店番をしている。

 菓絵さんと友達の夏美さんから聞いた話によると、この町で駄菓子屋さんを開いたのは菓絵さんの祖父母さんとのことで、祖父母さんが引退されてから、菓絵さんが店主を務めているとのこと。

 私がいつも持ち歩いているスケッチブックと色鉛筆は菓絵さんからいただいたもの。

 私がみんなのふっちゃんに初めて立ち寄ったとき、菓絵さんが私の似顔絵を描いてくれて、スケッチブックと色鉛筆をプレゼントしてくれた。

 ものすごく上手だと思った。私の顔をそっくりに描いてくれた。

 菓絵さんが描いてくれた私の似顔絵は、額に入れて部屋の壁に飾ってある。
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