熱愛系エリートに捕まりました
ちゃんと見ていれば、きっと彼の気持ちが伝わったはずだわ。

それを見えなくしたのは、そうだと信じ切って譲らなかったものは、わたしが勝手に作ったフィルターだったんだ。


「あの、わたしも悪かったんです。ごめんなさい」


誠心誠意、深々と頭を下げた。

妙な流れになってしまったけど、ここで謝っておかないと。

少しの間を空けてから、ゆっくり姿勢を戻して薬師丸さんを見つめた。

彼はただ黙って耳を傾けてくれている。


「だから、その…わたしでよければ、よろしくお願いします」


なんか、今となってはこう改まって始めるのが恥ずかしくて、耳の辺りが熱くなる。

でも、お互い微妙に違う方を向いてすれ違ってしまっていたからこそ、ここはちゃんとしておきたい。
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