熱愛系エリートに捕まりました
♡02
ふ、と意識が浮上して、瞼の向こうの明るさを感じた。

そのまま目を開くと、霞む視界が数秒ほどして焦点が合い、クリアになる。

しばらくぼーっとしながらゆっくりとした瞬きを繰り返して、ようやく事態のおかしさに気づいた。


ここ、どこ…?


腰くらいの高さまでチョコレート色の板が貼られた、サーモンピンクの壁紙。

ベッドサイドにはアンティークのシックなナイトテーブルが置かれ、きのこみたいな丸いフォルムの可愛いランプが乗っている。

ちょうど正面に見える壁にはクローゼットが備え付けられていて、パイン材でできた扉は壁一面と言っていいサイズ。

ともすればメルヘンチックな、純洋風と言うべきクラシカルかつロイヤルな内装だ。


自分が横たわっているのはふかふかのベッドで、枕は柔らかすぎず硬すぎず、ちょうどいい。

白いシーツはちょっと乱れていて、目に見える限り、所々に皺ができていた。
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