初めての甘い恋人
リビングに通されソファーに腰をかけると、温かいコーヒーを手に持ち、カイルさんが向かい側に座って渡してくれた。


「ありがとう」

「いえ。……それで、何が?」

「私にも分からないんです。私の家でワインを飲んでいて、私はチーズ取りにキッチンにいって、アリアさんはお手洗いに行かれていたんですが……なかなか戻ってこなくて…心配になり様子を見に行くと、いきなり泣き出して…。そのまま何も言わず帰ってしまって…。私には何がなんだか…」

「はぁ…。何やってんだよ…アリア。藤堂さん…すみません…」

「いや、カイルさんが謝る事じゃ…」

「でも、何も言わず帰るなんて…。電話しましょうか」

「うん…。お願いしていいかな」


アリア何があったというんだ……



ーーーーー

結局逃げ出したところでどうしていいか分からず、家に久しぶりに帰ってきても、頭の中はずっと仁の事ばかり……


正直に誰のですか?って聞けばよかったのかな……


もし、聞いて彼に本命の彼女がいて、私は浮気相手だと言われて……それを受け止める自信は私にはない…。



もう、考えたところで答えは出ない…。明日はオフだし…。あのビルにも行かなくていいのは助かる。

今日の事はとりあえず、考えないでおこう…。
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