蛍が浮かぶ頃 【砂糖菓子より甘い恋2】
「オラ、太一っていうんだ。
お前は?」
元気を取り戻してきた少年が笑顔で聞く。
「まり……真竜(まりゅう)」
毬はとっさに嘘をつく。
「へぇ、変わった名前」
「そうだろ?
でも、馴れると気に入るもんだぜ」
毬は出来るだけ低い声で喋れるように気を遣いながら、言葉を発した。
「馴れると、か」
少年は一瞬淋しげな顔になり、直後にこりと笑って見せた。
「俺たちも馴れるともっと仲良くなれるかな?」
「そりゃそうだろ。
きっと、大人になったら二人で、酒を飲みながら笑いあえるような、そんなんになれるさ」
毬は龍星と雅之の関係を瞼の裏に思い出しながら言った。
本当に、男だったら良かったのに。
そしたら、もうすぐ二人と一緒にお酒を飲んだり、御所で働いたり……できるのに。
「いいな、それ」
「だろ?」
少年が手を離して駆け出した。
毬もその後を追う。
幸い、健脚はまだ衰えていなかった。
お前は?」
元気を取り戻してきた少年が笑顔で聞く。
「まり……真竜(まりゅう)」
毬はとっさに嘘をつく。
「へぇ、変わった名前」
「そうだろ?
でも、馴れると気に入るもんだぜ」
毬は出来るだけ低い声で喋れるように気を遣いながら、言葉を発した。
「馴れると、か」
少年は一瞬淋しげな顔になり、直後にこりと笑って見せた。
「俺たちも馴れるともっと仲良くなれるかな?」
「そりゃそうだろ。
きっと、大人になったら二人で、酒を飲みながら笑いあえるような、そんなんになれるさ」
毬は龍星と雅之の関係を瞼の裏に思い出しながら言った。
本当に、男だったら良かったのに。
そしたら、もうすぐ二人と一緒にお酒を飲んだり、御所で働いたり……できるのに。
「いいな、それ」
「だろ?」
少年が手を離して駆け出した。
毬もその後を追う。
幸い、健脚はまだ衰えていなかった。