蛍が浮かぶ頃 【砂糖菓子より甘い恋2】
「待てよ、太一っ」
先に太一が走る。
彼は途中で北に方向を変えた。
そっちは毬の行きたい方じゃない。
そっちは、都の中心だ。
「早く来いよ、真竜」
太一がちょっと先で振り向いて笑う。
全く息を切らしていない。
「ちょ・・・俺・・・疲れた・・・」
毬は立ち止まった。
いつからか、体中がぞくぞくする。
頭が痛い。
割れそうに。
「毬、様?」
顔見知りの女性に声を掛けられた。
ああ、あれは……左大臣家の女中、楓だ……
でなければ、少年の格好をしている毬のことがすぐに分かるはずがない。
「かえ、で?」
しまった。太一にこのやりとりが聞こえてなければいいのだけれど。
毬は意識を失いながら、そんなことを祈っていた。
先に太一が走る。
彼は途中で北に方向を変えた。
そっちは毬の行きたい方じゃない。
そっちは、都の中心だ。
「早く来いよ、真竜」
太一がちょっと先で振り向いて笑う。
全く息を切らしていない。
「ちょ・・・俺・・・疲れた・・・」
毬は立ち止まった。
いつからか、体中がぞくぞくする。
頭が痛い。
割れそうに。
「毬、様?」
顔見知りの女性に声を掛けられた。
ああ、あれは……左大臣家の女中、楓だ……
でなければ、少年の格好をしている毬のことがすぐに分かるはずがない。
「かえ、で?」
しまった。太一にこのやりとりが聞こえてなければいいのだけれど。
毬は意識を失いながら、そんなことを祈っていた。