独り占めしてもいいですか…?【完】
名前を呼ばれただけでこんなに嬉しくなっちゃうなんて。





私ってほんと千景のことが好きなんだなぁ。





「おはよう美生」


「おはよっ千景」





たかが朝の挨拶だけなのに、この一言があるとないとでは、私のテンションはかなり違ってくる。





嬉しくてニヤニヤしてしまいそうになる口元を必死に堪え平常心を装った。





「今日の帰り一緒に帰る?」


「うんっ私は大丈夫だよ!」


「よかった。最近美生と中々話せなかったし、帰りにどこか寄っていこっか?」





千景のお誘いに思わず堪えていた口元が大きく弧を描いた。





「そうだね。私も千景と話したいっ」





千景、そんなこと思ってくれてたんだ。


どうしよう、すっごく嬉しいよ!





「よしっ決まりだな」





満面の笑みを浮かべる私をみて、千景も笑顔を零していた。





「…ところでさっきの」





キーンコーンカーンコーン





千景が話そうとすると、朝のHRを告げるチャイム音と重なった。
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