独り占めしてもいいですか…?【完】
ゆっくりと目を開けた視界の先には、千景の姿があった。





「えっ…千景」





どうして千景がここに…もう帰ったんじゃ。





そんなことを思ったが、それよりも今は胸がドキドキとして一気に緊張が襲っていた。





「なにしてるの?」





千景は教室内へ入ってくると、私の隣の席へと腰を下ろした。





「あっ…えっと、三春くんを待ってて…」





挨拶以外でこうやって千景と話すのは随分久しぶりに感じる。





あれ以来、まともに会話も出来なかったから、こうやって普通に話せることがすごく嬉しかった。





「そっか。俺は忘れ物取りにきたんだ」
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