独り占めしてもいいですか…?【完】
…まただ。


また、千景は作り笑いを浮かべてる。





どうして、そんなに無理して笑うの…?





そんなこと口に出せるはずもなく、下へと視線を落とした。





「美生」


「ん…?」





私の名前を呼んでくれる声が愛おしい。


それだけで涙が出そうになる。





「どうして俺たちって、幼馴染なんだろう」





「えっ…?」





千景の声は今すぐにでも泣きだしそうに弱弱しかった。


でも、その顔はずっと作り笑いを浮かべていた。





「千景…?」





どうして、そんなこと言うの…?





千景の言葉はズブリと私の胸へと突き刺さった。
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