最後にあなたの唇を
私のよく知る車の中で、2人の影が重なっている。
角度的にそう見えるとか、そういうのじゃなくて。
遠目からでも、2人の唇が重なってるのが嫌でも見えてしまった。
「……ッ」
視界がボケて歪んでくる。
それでも涙はこぼすまいと、必死に堪えて足を帰路に向けた。
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「………ゆ、さゆ、さーゆ」
「…ん……」
「ほら、起きて。こんなところで寝てたら風邪引くぞ?」
「んー…、しゅ…と?」
「うん、俺だよ。ほら起きて?ベッド行こ?」
薄っすらとしか開かない目を開けると、そこにあったのは私の大好きな人の顔がある。
「修斗」
「ん?」
思わず名前を呼んで手を伸ばしたけど、彼に触れる前にその手を止めた。