桜の花が咲くころに
王子と海人
♡*.+゚♡*.+゚
「少しは落ち着いた?」
学校の中庭にあるベンチに座っていると、どこからか戻ってきた橘くんが隣に腰掛け、私の目の前にミルクティーの缶を差し出した。
「……うん…落ち着いた…。ありがとう。」
ハンドタオルを握りしめながら、橘くんから缶を受け取る。
「………あっ…これ私の1番好きなミルクティーだ…。」
思わず漏れた私の言葉に、
「知ってる。」
そう言って、橘くんが微笑んだ。
知ってるって何よ。もう訳が分からない。
校門の前で突然泣き出した私を見て、りっちゃんは何を勘違いしたのか『桜をヨロシク!』と橘くんに言い、ニヤニヤしながら走り去って行った。
絶対明日問い詰められるんだろうな。