見上げれば、青
私はまだ、正解が分からない。
人生の指針が書いた本も本屋さんで見かけない。
まだ少し、夜の眠りは怖い。
でも、朝の電車で泣きそうにはならなくなった。
制服に袖を通すのも、前よりかは怖くなくなった。
私はきっと、息切れしていたんだ。
マラソンで最初に飛ばしすぎたみたいに、息切れしてた。
最初に頑張ろうと思い過ぎて、先のことから目を逸らしていた。
その息切れも少しはマシになってくれた。
酸素を大きく吸って、ゆっくり歩くことにしたから。
立ち止まってもいいよって思ってくれる人が、この世界にはいるんだと気付いたから。
きっと、もう大丈夫だと思う。
私は大丈夫。
もし息切れしてこれ以上進めないってなった時には、またあの屋上に行けばいいんだから。
そしてあの人と、またラムネを食べて一緒に光合成をしよう。
あの日見た太陽みたいに、
明日は明るい。
「涼しいねー」
「秋になったねー」
「ラムネいる?」
「いる!ちょうだい」
fin.
