toxic

私の叫び声と重なるように、目の前の男が吹き飛ぶ。



間髪入れずに、次々に打撃を打ち込んだその人が乱場さんだと分かるのに時間はかからなかった。



助けに来てくれた安堵感と恐怖からの解放で、私はそのまま意識を手放してしまった。





あの後のことを、私はよく覚えていない。



うっすらと断片的に覚えていることは





優しく抱きしめてくれたことだった。










目を覚ますと、そこは久しぶりにみる景色だった。



鍵をなくして、乱場さんの家にお世話になったあの日と少し被った。



でもあの日と違ったのは



横になっているところが、ベッドだったってことと



心配そうにそばで手を握ってくれてた、彼の姿があったことだった。

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