そのイケメン、オタクですから!
「え……留愛ただでさえ忙しいのに、大丈夫なの? っていうか、どうしたのいきなり?」
目を丸くしたよっちゃんに、アルバイトの自由化の部分を指さして浮かれた声を出す。

「だって見て。アルバイトが自由になったら、私も自由になれるんだよ。この人の事全力でバックアップするんだ。忙しいなんて言ってられないよ。私、自由を手に入れるの!」

「あ、熱いね。留愛……。ふふ、わかった。私も協力する。生徒会入るよ」
一瞬引いたよっちゃんだけど、私の熱意に笑顔になる。

そう。私は今背中から火が出てるんじゃないかと思うくらい燃えてるの。
背中が熱い……。
あ、そっか。

10月になって急に寒くなったんだもん。
今日は背中にカイロ貼ってたんだ。

そんな事はどうでもよくて、よっちゃんが一緒にいてくれたらすごく心強い。

「いいの? じゃあ早速生徒会行こうよ」
鼻歌を歌いながら彼女の手を引く。

「自由の為に戦う」って言った人は誰だっけ。
格好いい言葉だよね。
私も戦う。自由の為に。
なんてね、と心の中で突っ込みながら生徒会室に向かった。
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