そのイケメン、オタクですから!
オタクのくせに……偉そうなんだから!

今及川先輩は前髪は6:4で分けられて切れ長の瞳を際立たせてる。
ワックスで無造作に整えられたこの髪をまっすぐ下ろしてメガネをかけたら……。

少しだけ気崩した制服の中にはきっと筋肉質な腕がある。

やっぱりこの人は、セノジュンレッドだ。
絶対にそうだ。

でも今ここで、そんなことを言うわけにはいかない。
この俺様風態度の及川先輩がオタクだってばらしてやりたいけど、それは諸刃の剣だもの。

アルバイトの自由化が実現されるまで、私がナナだってこともばれるわけにはいかない。

明るい光が見えたと思ったけれど、何だか大変な予感がする……。

私無事、自由を手に入れられるのかなぁ。
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