そのイケメン、オタクですから!
晩ごはんを終えて店を後にすると、胸がほっこりと暖かくなった。
朝は寝てるし夜はいないから、ママとご飯を一緒に食べることは殆どない。
メイドカフェでは賄いが出るからご飯には困らないけど、休憩は一人ずつだから寂しいんだよね。

アパートの前で部屋の電気が消えている事を確認してから、ゆっくりと鍵を開けた。
乱れた布団はそのままで、ダイニングテーブルには化粧品が散らばってる。

いつもの光景。
ママはいつまで、こんな生活を続けるのかな。

娘の私が言うのもなんだけど美人だし、言い寄ってくる男の人はホストだけじゃないと思う。普通の人と恋愛して、結婚してくれたらいいのに。

まだ子どもだって産める年だし。
……って、邪魔してるのは私なんだよね。

私がいなければ、ママはもっと幸せになれたのかもしれない。
私も早く、独り立ちしなくちゃ。
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